日本スポーツ社会学会
2015年度第2回研究例会のお知らせ
最近、フィールドワークに録画機材を持ち込んで調査対象を録画したり、映像データアーカイブなどを利用して映像データを分析することが可能になってきています。しかしながら、「映像データを入手したもののどのように分析してよいのかわからない」といった悩みが調査研究者から多く聞かれることも事実です。
映像データを入手したということは、繰り返し視聴することが可能になるということと、複数の人が閲覧可能になるということを意味します。これにより、映像入手者はデータセッションを行うことができるようになります。
Heathら(2010: 102あるいは156-7)によれば、データセッションとは、映像記録素材を協働で分析するときの標準的な編成であり、ビデオデータを何人かで一緒に見てコメントし合い、分析する協働作業でもあります。調査チームの同僚たちや、データに新しいパースペクティブを提供できる人たちとともに、分析に役立つアイデアを論じ合うことができます。ときには「実践者」や「当事者」にデータセッションに参加してもらい、独自の洞察を提供してもらったり、第三者が理解困難である出来事を明らかにすることを助けてもらえることもあります。
この度企画したデータセッション(研究会)に参加いただくことで、3月のシンポジウムに登壇予定の Larissa Schindler さん(ハンブルグ大学)の研究手法や「vis-ability」という概念の理解が進むとともに、映像データの分析手法を増やすことにもつながれば幸いです。
大学業務などでお忙しい時期かとは思いますが、多数の会員の方々の参加をお待ちしております。
文献
Heath, C. & Hindmarsh, J. & Luff,
P. 2010. Video
in Qualitative Research. Sage Publications.
日時:2016年1月24(日)14時〜17時
場所:早稲田大学 東伏見キャンパス302教室内容:提供されたビデオデータを題材にデータセッションをおこなう。
話題提供者 海老田大五朗(新潟青陵大学)、リー・トンプソン(早稲田大学)
文責:倉島哲(研究委員会)